妊娠は病気じゃない?
妊娠を考えるにあたって、妊娠しやすくなる体質づくりや不妊治療などを行う、"妊活"はもちろん大切なことです。そのほかにも、妊娠をする前にしておいた方が良いものの、うっかり見逃しがちなことのひとつに「医療保険の見直し」があります。
これまで大きな病気やケガをしたことがないという方にとっては、医療保険と言ってもピンとこなかったり、まったく加入をしていない、という方もいらっしゃるかもしれません。ただ、どんなに健康体な女性でも、妊娠をすることで、身体に「劇的」ともいえる大きな変化が起こります。ただ妊娠は病気という扱いではなく、保険が適用されません。保険が適用されないものの、非常にリスクが高い状態となり、妊娠をしている期間、そして出産時、さらに出産後は、なんらかのトラブルが発生する可能性が大変高くなるのです。
なんらトラブルがなく順調に妊娠、出産を行う方も、もちろんいらっしゃいますが、これまで病院とは無縁だったものの、妊娠したことによって通院をすることになった、入院をした、手術をすることになった、というケースもまったく珍しくないのです。帝王切開で出産をしたといった話はよく耳にすると思いますが、帝王切開も「手術」となります。入院、手術を行うような場合には、加入をしている健康保険が適用されます。ただ、入院や手術には差額ベッド代であったり、家事サービスであったり、思わぬ出費が伴うこととなります。長期の入院、突然の手術などのためにも保険に入っておくことはとても大切なのです。
妊娠・出産で考えられる主なリスク・トラブル
厚生労働省が行った調査によると、20代~30代の女性は、同年代の男性よりも入院する割合が高くなっています。この年代が経験することが多い妊娠、出産の際、になんらかのトラブルが起こる女性が多くなったためだと考えられます。妊娠、出産の際に考えられるトラブルのほんの一部をご紹介いたします。
悪阻(つわり)
妊娠中の女性にかなりの割合で起こるのが、悪阻です。多くの方は妊娠8週くらいから16週ほどの時期に起こり、少しずつ落ち着いていくとされていますが、実際には受精卵が着床をした、ごく初期から始まる方もいれば、出産をしても不調が続くこともあり、さらに程度がひどい場合には水分も取れず、入院が必要となることもあります。
切迫流産・早産
胎内の赤ちゃんがなんらかの事情で、出産可能な時期よりも早い段階で流産・出産しそうになってしまった状態をのことを切迫流産/切迫早産と呼びます。この場合、状態によっては自宅で安静、もしくは入院する必要が生じます。妊娠22週未満の場合を切迫流産、22週以降を切迫早産と呼びます。長い方では数か月ずっと入院し、ベッドの上で過ごすというケースもあります。
妊娠合併症
妊娠合併症とは、妊娠前からの持病があったり、妊娠したことで新たに病気を併発する状態を指します。妊娠時に血糖値が上がり、出産時に影響を及ぼすこともある、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、貧血などが主な病気です。
帝王切開
出産時に自然分娩を行うには、胎児、母体どちらか、もしくはどちらにも危険が及ぶ可能性が高い、と判断された場合に行われるのが帝王切開です。年々帝王切開で出産をする方は増えてきています。胎児が双子、三つ子であったり、妊娠合併症などのため、あらかじめ帝王切開で出産することが決定している予定帝王切開の場合もあれば、通常の出産時にトラブルが起こり、急きょ帝王切開に切り替わる、といったことも珍しくありません。
妊娠をしていても、医療保険には加入できる?
そういったことから、子どもを希望をしている女性は、加入をしている医療保険の内容の見直しであったり、加入をしていなければできるだけ早く加入を検討するのはとても大切です。
特定部位の不担保って何?
妊娠をしていない段階で加入を急ぐ必要があるのは「妊娠中は保険の加入がむつかしい」ためです。詳しく言うと、妊娠をしている方が保険の加入すること自体は可能です。しかし、条件が付けられることがほとんどです。その条件とは、その妊娠中にトラブルが起こっても「給付金の対象外」という扱いになります。このことを「特定部位の不担保」と呼びます。
特定部位の不担保は、婦人科の病気全般、そして出産にかかわる入院、手術を指します。不担保には期間があり、保険会社によって1年であったり、長いところでは3年、5年などと定められているところもあります。対象外となる疾病の詳細であったり、不担保となる期間は、申し込みを検討をしている保険会社に確認をしておきましょう。
妊娠中でも入れる保険はあるの?
医療保険を取り扱っている保険会社のうち、ごくわずかですが妊娠中でも加入できて、その妊娠にかかわる疾病、入院でも対象となっている商品も発売されています。ただ、加入できる期間は19週だったり、疾病は対象でも出産に関するトラブルは対象外だったりなど、掛け金や保障内容にも差がありますので、前もって細かく調べておく必要があります。また、以前妊娠中でも加入ができた保険でも改定されたりすることもあります。そして、加入ができる保険でも「それまでの妊娠の過程で問題がなければOK」という条件が付けられていますので、こちらも注意が必要です。
まとめ
妊活を考えている方は、妊娠をする前に医療保険に加入をすることで、妊娠時に起こりえる、さまざまなトラブルが起こっても、落ち着いて対処することができます。妊娠をした後ですと、選択肢が狭くなったり、加入自体ができなくなったり、保険金が下りないということも多々あります。
保険会社の窓口だけでなく、複数の保険会社の商品を取り扱っていて気軽にファイナンシャルプランナーに相談できる店舗も増えてきていますので、活用をするのもおすすめです。万全のマタニティライフを過ごすためにも、できるだけ早めに加入の検討を行いましょう!
筆者プロフィール
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ペンネーム:hkskn
2児の母/子育て奮闘中
40代前半女性 栃木県
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